YouTubeにおいて視聴者から直接収益を得られる「スーパーチャット（スパチャ）」は、
クリエイターにとって重要なマネタイズ手段のひとつです。
しかし、似たような投げ銭機能との違いや、
受け取りに必要な条件について正しく理解できていない方も多いのが現状です。
本記事では、スパチャの仕組みや他の投げ銭機能との比較、
そしてスパチャの導入・設定方法など実用的な情報をわかりやすく解説していきます。
YouTubeでの収益化を本格的に考えている方は、スパチャについてぜひ押さえておきましょう。
YouTubeのスパチャについて
YouTubeには複数の投げ銭機能があり、それぞれの特徴・違いについて曖昧なまま理解している人が多いです。
そこでスパチャとは何なのか、またスパチャはスーパーサンクスやスーパーステッカーと比べて、
どのような違いがあるのかについて解説していきます。
YouTubeのスパチャとは？
YouTubeの「スパチャ（スーパーチャット）」は、ライブ配信やプレミア公開中に視聴者が配信者へ送る投げ銭機能のことです。
100円から最大5万円（iOSは上限7万8,800円）まで選べて、メッセージ付きでクリエイター宛に送信できます。
金額に応じてチャット欄での表示時間が長くなり、配信者の目に留まりやすくなります。
またコメントが読まれるなど、視聴者との交流手段にもなり、クリエイターにとっては重要な収益源の一つです。
視聴者側にとっても、応援の気持ちを直接伝えたり、
自分のコメントを目立たせたりできるため、ライブの一体感や参加感が高まる仕組みとなっています。
他の投げ銭機能との違い
スーパーチャットと他の投げ銭機能は、下記の項目で異なってきます。
- 対象動画
- 支援方法
- 表示形式
- 価格帯
それぞれ詳細については、下記の表をご参考ください。
| 項目 | スーパーサンクス | スーパーチャット | スーパーステッカー |
|---|---|---|---|
| 対象動画 | 通常のアップロード動画 | ライブ配信・プレミア公開中の動画 | ライブ配信・プレミア公開中の動画 |
| 支援方法 | コメント付きの投げ銭 | メッセージ付きの投げ銭 | アニメーションスタンプの投げ銭 |
| 表示形式 | 支援者のコメントが強調表示 | 支援者のチャットが強調表示 | ステッカーがチャット欄に表示 |
| 価格帯 | 100〜5,000円 | 100〜50,000円 | 100〜5,000円 |
スーパーチャットは他の投げ銭機能と比べても、価格が5万円まで可能となっており、
より高額な投げ銭に対応できるようになっています。
スーパーサンクスやスーパーステッカーについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。
YouTubeのスパチャの受け取り条件とは
スパチャを受け取るためには、「収益化の条件」と「スパチャの利用条件」の2つをクリアしなければなりません。
- チャンネル登録者数500人&有効な公開動画を3本以上アップロード&公開ショート動画の視聴回数が300万回以上（過去90日間）
- チャンネル登録者数500人&有効な公開動画を3本以上アップロード&有効な公開長尺動画の総再生時間が3,000時間以上（過去1年間）
収益化の条件についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をぜひご覧ください！
上記に加えて、下記のスパチャの利用条件もあるので注意しましょう。
- 18歳以上
- 利用できる国・地域からのアクセス
- YouTubeの規約やポリシー・課金型製品モジュール（CPA)への同意
上記にもあるとおり、YouTubeパートナープログラムの利用が可能な国・地域に住んでおり、
年齢が18歳以上であることが必要です。
そのため、日本に住んでいても17歳以下の場合はスパチャの利用はできません。
またYouTubeのコミュニティガイドラインを遵守し、違反による警告が付いていないことも条件のひとつです。
これらをクリアし、AdSenseアカウントと連携すればスパチャの受け取りが可能になります。
YouTubeのスパチャの設定手順
先ほど紹介したスパチャの利用条件を満たしている方は、ぜひこの機会にYouTubeのスパチャを設定しておきましょう。
①パソコンで YouTube Studio にログインします。
②左側のメニュー欄にある「収益化」をクリックします。
③「Supers」タブをクリックします。このタブはチャンネルが条件を満たしている場合にのみ表示されます。
④「始める」をクリックして、画面の指示に従いながら進めていきます。
⑤「Supers」セクションを初めて使用する場合は、画面上の指示に従って「課金型製品モジュール」（CPM）に署名します。
⑥すべての手順が完了すると、次の3つのオプションが表示されます。
- 「Super Chat」のオン / オフ切り替えスイッチ
- 「Super Stickers」のオン / オフ切り替えスイッチ
- 「Super Thanks」のオン / オフ切り替えスイッチ
⑦「Super Chat」のスイッチをオンに設定します。
YouTubeのスパチャを利用する際の注意点
YouTubeのスパチャを利用する際の注意点は、下記の3つです。
- 収益合計8000円を超えると振り込まれる
- YouTubeに手数料が取られる
- 子供向けや限定公開ではスパチャが利用できない
それぞれ詳しく説明します。
収益合計8000円を超えると振り込まれる
1つ目の注意点は、収益合計8000円を超えると振り込まれるということです。
YouTubeのスパチャ収益は、AdSenseの支払いシステムを通じて受け取る仕組みであり、
振り込みには最低支払い額の「8,000円（税込）」を超える必要があります。
例えば、4月のスパチャ収益が5,000円、5月のスパチャ収益が4,000円だった場合、
5月末時点でのスパチャ収益が9,000円になっており、
8,000円を超えているため翌月中旬に銀行口座に振り込まれることとなります。
この金額に達しない場合、収益は翌月以降に繰り越され、達成するまで保留されます。
たとえスパチャで収益が発生しても、すぐに現金として手元に入るわけではないため、
収入計画にはこのタイムラグを考慮しておく必要があります。
YouTubeに手数料が取られる
2つ目の注意点は、YouTubeに手数料が取られることです。
スーパーチャットで受け取った金額のすべてが配信者の手元に入るわけではありません。
YouTubeはスパチャ収益の約30％を手数料として差し引き、残りの約70％が配信者に支払われます。
たとえば1,000円のスパチャを受け取った場合、実際に受け取れるのは約700円程度です。
つまり、残りの300円はYouTubeに手数料として差し引かれるということです。
この手数料はプラットフォームの運営維持に必要なコストとされており、
あらかじめ把握しておかないと「思ったより収益が少ない」と感じることもありますので注意しましょう。
子供向けや限定公開ではスパチャが利用できない
3つ目の注意点は、子供向けや限定公開ではスパチャが利用できないことです。
スパチャ機能はすべての動画で利用できるわけではありません。
まず「子供向け」に設定されたコンテンツでは、YouTubeのポリシーによりスパチャ機能が無効化されます。
また公開設定が「限定公開」や「非公開」のライブ配信・動画でもスパチャは使えません。
スパチャを有効にするには、動画が「公開設定」かつ「子供向けではない」と明示されている必要があります。
設定ミス、自動判定によって「子供向け」コンテンツとされて、スパチャが利用できなくなるケースもあるので注意しましょう。
まとめ
今回は、YouTubeのスパチャについて詳しく解説してきました。
スパチャはライブ配信を通じて視聴者からの直接的な支援を得られる、非常に効果的な収益化手段です。
広告収益だけでなく、スパチャなどの投げ銭機能を有効活用することで、YouTubeの収益をより伸ばしやすくなります。
今後、本格的に収益化をしていきたいなら、スパチャは視野に入れておきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました！